世界初大型舶用エンジンでの水素燃焼運転に成功

プレスリリース グリーン戦略 舶用推進システム

株式会社三井E&S(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高橋 岳之、以下「当社」)とライセンサーであるMANエナジーソリューションズSE(本社:ドイツ・アウクスブルク市、最高経営責任者:ウーヴェ・ラウバー、以下MAN ESという)は、国際海運の水素関連ビジネスの早期立上げを狙い、当社玉野工場敷地内にあるシリンダ直径50cmの舶用2サイクルテストエンジン(以下テストエンジン)での水素燃焼運転に世界で初めて成功しました。

本燃焼運転において、2021年度にダイハツディーゼル株式会社と共に採択された国土交通省補助事業「海事産業集約連携促進技術開発費補助金」(※1)を活用しており、当社テストエンジン4S50ME-T(出力7MW、定格回転数117rpm、MEP=2.10MPa)の4シリンダの内の1シリンダを、LNG(天然ガス)焚きエンジンME-GI機関デザインをベースとした水素燃焼用に改造、昨年10月に当社玉野工場内に完成(※2)した水素ガス供給設備(液化水素タンク、水素ガス圧縮機他、以下水素供給設備)とのカップリング運転にて、水素漏洩などの不具合なくテストエンジンの100%負荷運転に成功しました。

また、水素燃料は着火しやすく適切な燃焼制御を行う必要がありますが、100%負荷運転において当該シリンダの95%相当の熱量を水素燃料で賄い、従来燃料で運転する他の3シリンダと同等の燃焼圧力波形が得られ、既存エンジンのデザインをベースに安定した水素燃焼を成立させたこと、エンジンが必要とする高圧水素を水素供給設備から安定供給できることを確認しました。

従来燃料と水素燃料の燃焼圧力波形比較


シリンダ直径50cmの大型舶用2サイクルエンジンにおける水素燃焼運転の成功は世界初であり、本燃焼試験の成功により、海運業界のGHG削減に大きく貢献できる舶用推進システム提供に向けた歩みを着実に進めています。

当社グループでは、水素燃料推進システム技術、水素供給インフラ関連技術の開発を通じて、次世代燃料である水素の貯蔵・供給・利用に関する技術とノウハウを取得し、脱炭素化社会の実現に貢献して参ります。

テスト機関 水素燃焼テストの状況

※1 2022年6月16日「水素関連製品開発のための水素供給設備を建設」
※2 2023年10月23日「水素関連製品開発のため水素供給設備の建設を完工」


お問い合わせ先

連絡先:株式会社三井E&S 舶用推進システム事業部 R&Dセンター
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TEL:03-3544-3147